大みそかはどのように過ごそうか。少し前から話し合っていたのだが、とにかく寒い日が続いているので、どうせどこにも行けずに家で過ごすんだろうなと思っていた。本当は夜中にネイビーピアで行われる、新年の打ち上げ花火を見に行きたいと思っていたのだが(夏の間に結局行きそびれたせいもある)、夜中の予想気温がマイナス25℃となっていたので、花火のことを話すと夫はあからさまに無理~!という顔をした。
そりゃあ昼間のマイナス25℃でも辛いんだから、夜中で、しかも湖から風が吹いたりなんかしたら、ネイビーピアは死ぬほど寒いに決まってるのは私もわかっている。でもせっかくシカゴで新年を迎えるのになぁ…。
そんな時、以前に夫のクラスメイトが教えてくれた話を思い出した。昨年、一昨年は暖冬だったので、その様子が見れなかったらしいのだが、ミシガン湖も本当に寒くなると凍るというのだ。そして、波の形が残った状態で凍ることもあるという。
ミシガン湖って、あのミシガン湖でしょう。海みたいにだだっ広いのに「本当に」凍るの?クラスメイトの話を聞いて以来、チャンスがあったら、確認しに行こうと思っていた。
それが今日だ!!
私の頭の中でぴかーんと閃いてしまったので、夜が嫌でも昼間ならいいでしょう~♪と夫を説得し、ネイビーピア行きのバスを調べてさっそく出かけることにした。
ちなみに、こんな格好で出かける。ネイビーピアは風が強いので、顔のしもやけを防ぐため。シカゴはこのくらい顔を隠して歩いている人が当たり前にいるので、別に不審がられない。
ネイビーピアに到着。バスが着いたのは埠頭の南側なのだが、降りるとさっそく湖の凍っている様子が見えた!「おお~っ、ほんとだったね」と夫も私も大興奮。思っていたより風が吹いていなかったこともあり、そんなに寒さを感じなかったので、写真や動画をとりまくる。
写真の中で白い線になって写っているのは、波が凍ったところ。
夫が雪で作ったお団子を湖面に投げてみるが(凍り具合を確認したかったらしい)、サラサラな雪ゆえ、湖面に到達する前にお団子はバラバラになってしまった。
(シカゴでは雪合戦、できません)
思ったほど寒くないとはいえ、やはり手袋を外していたら手がかじかんできた。ここでこんなにゆっくりしていたら、また夫のiPhoneのバッテリーもダウンしてしまうかもしれない。
ということで、埠頭の北側にあるメインストーリートへ。
こちらに来ると、先ほどの場所よりも湖面に太陽がよく当たるせいか、氷は残っているものの、だいぶ溶けていた。それでもこんなに大きな氷ができているなんてすごい。
屋内で遊べる施設も飲食店もあるので、思いのほか人がたくさんいる。観覧車も絶賛営業中。
人間はこんなに寒い思いをしているというのに、水鳥たちはスイスイ泳ぎながら、時に潜って食事をしたり、獲物を奪い合ったり…。あぁ、見ているだけで寒い。
埠頭のいちばん端にやって来た。柵越しに、凍って白くなった湖面が見える。
早くそばに行ってみたいものの、この場所に来るまでにすっかり足元が冷えてしまい、おまけに風も強くなって(写真の、旗がなびく様子から察してください!)、歩くのだけで精一杯。ブーツを履いているからって、調子に乗って雪の上をザクザク歩き続けていたから自業自得なのだ(涙)。
柵のある所からの眺め。北海道の流氷みたい。右の方に見えるのは灯台。
帰宅後、グーグルマップで調べてみたところ、灯台の建っているのがシカゴ川の河口付近。そして、ネイビーピアを囲むように、ぐるっと灯台周辺に防波堤が設置されていることが分かった。「ミシガン湖が凍る」はつまり、この「防波堤の中の水が凍る」ということのようだ。
すごいねーと夫に話しかけようとした時に、驚きの発見をした。夫の鼻の穴の中で、鼻水が凍っているのが見えてしまったのである。見事に氷の粒になっていたので、逆に感動して写真を取らせてもらった。ここには載せられないけれど、本当の本当に寒いときってこんな事も起こるのね(笑)。
夫は写真を取るのに一生懸命になっているが、私はもう足の冷えが痛みに変わって我慢の限界に来ていた。目の前にあった建物の中で休もうと歩き出すと、夫もやって来た。どうやら夫も我慢しながら写真を取っていたらしい。そうならそうと言ってよ~!
建物の中は暖房が効いているわけではなかったが、風が吹いていないだけで格段に暖かく感じた。しかし、つま先の痛みは全く引かないので、たまたま持っていたミニサイズのホッカイロを両足の裏に貼って応急処置。それにしても、私の人生40年でも5本の指に入りそうなほど、厳しい痛みだった…。
しばらく建物の中で休憩しながら景色を眺める。私たちはホッカイロを貼ってもどうにもならない冷えでひーひー言っているのに、鳥たちは氷の上で休憩している。
しばらく休んだら元気が出てきたので、再び外へ。最初にバスを降りた辺りを湖側から眺めると、市内の高層ビルの景色が見える。
少し風が弱まったので、最後にもう一度埠頭の先端から巨大な氷が浮いている湖を眺めてバス停に戻った。帰りはもう痛い思いをしたくない…と、暖房が効いた施設内の通路を通る。それにしても、人が多くて驚いた。屋内アスレチック施設のようなところは、家族連れであふれかえっていた。私が散歩に行けなくてストレスを感じるように、子供達も冬の間はなかなか外遊びができないから、こういうところに連れてきてあげないと有り余る元気を発散できないんだろう。
凍ったミシガン湖を見ることができたので、わざわざ出かけた甲斐があった。カウントダウンの打ち上げ花火は見に行かなかったが、それでも寒いシカゴならではの大みそかの思い出ができて良かった。これで2017年の街歩きは終了。
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