2017年10月12日木曜日
Day3-4 9.11 Memorial & Museum 再訪
無事、予約時間前に到着。この時まだ、空はこんなに明るい。
チケット窓口でネット予約済であることを伝えて入場する。夫は学生料金のチケットを購入していたので、ここで学生証のチェックを受けた。こちらでも自由の女神のときと同様に、セキュリティチェックを受ける。が、荷物のX線検査なんて、ちゃんと見ているのかなぁ…というややゆるい雰囲気。
本展示がスタートする地下に下りていくエスカレーター、その脇に置かれている2本の柱。これはツインタワーだった時代のビルで使われていた柱。
ビルの根元の方を見ると、確かに同じデザインだ。激しく損傷しているこの柱を見ただけで、すでに恐怖を感じてしまっている私。
さて、地下深くに下りていくと、まずあの日の出来事を時系列で紹介するボードが見えてくる。ハイジャックされた飛行機が辿ったルート、そして最終的に事件が起きた時刻が書かれている。
同じ日、事件が起きる前の朝。信じられないほど美しい空とマンハッタンの景色。それなのに…。
私たちが見ていた時、周囲には中高年層のお客さんが多かったのだが、皆このボードの前ですでに長々と話し込んでいた。いくら時間が過ぎても忘れられない衝撃的な記憶を持っているからこそ、このボード1枚でも色んな思いを話し合いたくなってしまうその気持ち、なんだかわかるなぁ。私も夫に声を掛けられるまで、しばらく見てしまっていたもの。
映像と音声で体験者の声を流しているゾーンを抜けて見えてきたのは、廃墟となったワールドトレードセンター跡に、最後まで残っていた鉄筋の柱。この柱には様々なメッセージや(恐らく救出活動で亡くなった)消防士さんの写真などが貼られている。最後、出口に向かうときにこのそばを通るのだが、辛すぎて夫と私はとても見ることができなかった
そして、先程から書いているように、展示は地下深いところに置かれているため、ツインタワー時代の基礎の跡を見ることもできる。柱の左のこの壁もその一部だ。順路にも同様に、基礎の跡がそのまま残されている。
事件の通報を受けて駆けつけた消防車が、待機中に崩れてきたビルの破片によって無残な状態になってしまったものや、ノースタワーの屋根に取り付けられていたアンテナの焼け焦げたものなど、巨大な展示品が並ぶ中、生々しい写真と共に展示されていたのがこちらの柱。
ハイジャックされた飛行機が、ノースタワー93階から99階に衝突していったときに損傷を受けた鉄の柱だ。これは93階から95階の部分で、96階から99階の部分はもっと入り口に近い場所に展示されている。
次に進むのは、ドアで隔てられた撮影禁止の展示ゾーン。あの事件で亡くなった方全員の顔写真が壁一面に並んでいる。タッチパネルでその方たちの名前や国籍、勤務先などの情報が検索できるようになっているのに加え、犠牲者たちの人柄について語られる映像がエンドレスで流されていた。
この部屋以降は、展示に紛れてあちらこちらにボックスティッシュが置かれていた。確かに涙なしでは見ることのできないものばかりなのだが、あまりに感情に訴えるばかりの、そして時にここまで個人の情報を曝してしまうアメリカ的展示、私は少々苦手である…(当然了承は得ているのでしょうが)。
そして、あの日の各国のニュース映像(NHKもありました)や当時の写真、行方不明の家族を探す張り紙や消防士の遺品などの展示が続く。ハイジャックされた飛行機の乗客やハイジャックの犯人についての展示(アメリカに入国する際の防犯カメラの映像が流されていた)も見ることができた。
しかし、閉館30分前の7時半くらいから、博物館職員の声掛けが始まる。
「あと30分で閉館でーす。ゆっくりしてると最後まで見れないですよ~!」
ここからみんなが慌てだし、雰囲気もそわそわしたものに変わってしまった。二時間あれば結構ゆっくり見れると予想していたのだが、しっかり見ようとすると3、4時間は必要そうだった。
あの事件について、今日までに分かっていることや解説を期待して訪れると、物足りなくてがっかりするかもしれない。あくまでもここは、あの日のことを忘れないようにと、事件にかかわった人たちが記録や遺品を集積して造ったところ、そして犠牲者に思いを寄せる場所として訪れるのが正しいようだ。
ついでだが、ペンタゴンでの事件の展示はとっても少なかった。国の中枢機関なので、そもそも公開できる情報が少ないのかもしれないが、ちょっと残念。
もし時間が十分にあってじっくり見ていたら、私も涙が止まらなくなっていたかもしれないので、最後は駆け足気味で終わったのが良かったのかもしれないなと思いながら、建物を後にする。
それにしても、あの事件後のアメリカでは、国民の団結が強く呼びかけられていたように記憶しているのだが、現在のアメリカはそれと逆行して分断の道を歩いてしまっている。共通の敵を憎む、という負の気持ちから生まれた連帯感はやはり脆いものだ。
外に出るとすっかり真っ暗。初日に見たプールのモニュメントのライトアップが今日はなんだか悲しく見えてしまった。
とは言ってもお腹は空くのだ。ゴシップガールロケ地巡りを満喫した今日の締めは、ダンとバネッサの話題によく上がっていた、ピローギが食べれるというレストランへ。
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