2017年10月11日水曜日
Day2-4 エリス島移民博物館
エリス島に到着してフェリーを降りると、もうすぐ目の前に移民博物館があった。ここは移民局だった当時の建物が、そのまま博物館として使用されている。
マンハッタンに戻る最終の出航時間が17時なので、間違えないようにねとフェリーの係員に注意を受けた。この時、時刻は15時。マンハッタンを出たのは12時前だったので、ずいぶんゆっくりと自由の女神見学をしていたものだ。いや、とても満足しているからいいのだけど。
見学が終わったらミュージアムショップにも寄ってみたいので、そうなると時間が全然足りない!ということで急いで館内へ。
ホールには、移民してきた人たちが持ってきたトランクやスーツケースなどが展示されている。後でわかるのだが、こうやってきちんと荷造りをしてアメリカにやって来れた人はまだいい方。本当に着の身着のまま、なけなしのお金を持ってやって来た、というような人もたくさんいたようだ。
ここでもフェリーのチケット料金に含まれているオーディオガイドを借りて見学スタート。だが、自分の知識不足とオーディオガイドの使いづらさで、残念ながら1階の展示は十分に理解することができなかった。
2階に移動する。
階段を上ってすぐに見えてくるのが、このレジストリールーム。移民してきた人たちはまずこの部屋に入って、入国審査を受けた。
多いときで、なんと5000人もの人がこの部屋に詰め込まれていたという。
これが当時の写真。
混雑が激しいときは、この部屋で何日も待機させられたのだそう。
この部屋の窓からみる自由の女神はさっきと違い、とても悲しく見える。
入国審査官によって作成された名簿の一部を見ることができる。
所持金が十分でなかったり感染症の疑いがある人は、このエリス島で隔離され、入国を許可されなかったという。だから、一家総出でアメリカにやってきても、もしその中の一人が病気だったりすると、その人だけが隔離され、許可された家族だけは入国することに。つまり、この島で家族が引き裂かれてしまうこともあったそうだ。せっかく夢と希望を持って必死に海を渡って来たというのに、なんとも残酷な話…。
入国を許可された人は、いよいよマンハッタンの南、バッテリーパークに上陸する。そしてここから、各々列車に乗って新天地へと散らばっていく。
以前、夫の英語プログラム受講時のクラスメイト(19歳の男の子)に聞かれたことを、ふと思い出した。
「どうしてシカゴには日本人がいないの?」
彼の疑問に深い意味はないのだと思う。シカゴのダウンタウンでは中国人、韓国人をたくさん見かけるのに、なんでここには同じように日本人がいないのだろうと。
実際のところ、駐在などでシカゴに来ている日本人は郊外の住宅地にまとまって住んでいるので、ダウンタウンに住んでいる数が少ないというだけの話なのだが。
しかし、たくさん見かける中国人、韓国人だって、ここにいる理由は様々だろう。夫のような学生もいれば、故郷で思うような仕事が見つからないから(つまりは移民してきた)という人もいるはずで。
景気が悪いとかなんだかんだ言っても、今の日本は国内で助け合える力がまだ残っているんだなぁと思った。だから、思い切って国を出て仕事を探さないと生きていくことができない!とか、仕事にありつくために何が何でも英語が話せるようにならないと!、なんて発想がそもそも生まれにくいんだろうなぁとも。これを幸せなことと思うのかどうか、それは個人の考え方次第だと思うが。
そうは言っても、もしこの先も低空飛行の景気の状態が続いたら、日本人も海外で働いて母国に仕送りするほうが断然稼げる、なんて時代が来たりするのだろうか。そう言えば昔の日本人でも一攫千金を夢見て南米に移民していた人がいたから、歴史は繰り返す、ってことになるのかなぁ。展示を見ながら夫とそんなことを話していた。
閑話休題。
レジストリールームの後ろにも小部屋がたくさん並んでいて、展示もかなり充実していたのだが、もう閉館まで時間がない。博物館の職員も見学しているお客に「もう音声ガイド使わないなら回収させて」なんて声掛けをしている。そんな様子に焦ってしまい、最後の方はかなり駆け足での見学となってしまった。
1階に下りていくと、やはりミュージアムショップは閉店していた。時間を気にせず見学するなら、午前中のフェリーに乗らないといけなかった。
最終のフェリーは時間通りに出航し、マンハッタンに戻る。今日の天気予報はくもり時々小雨だったのだが、雨に降られることなく女神像が見学できたし、こういった過去について学ぶ場所にも立ち寄れて良かった。そう考えると全て込みでの1人18.5ドルという料金は安すぎるのではないかという気がしてきた。日本人にはなじみが薄い話題だが、ニューヨークに行って時間がとれるなら、ここはぜひ訪れるべき場所だと思った。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿